先日、定期テストを控えた中学生の子に「先生、定期テストってどうしてやるの?」と聞かれました。
私も教える立場である以上、テストを行うことはよくあります。この理由は簡単で、「どれくらいわかっているかを確認するのに一番よい方法であるから」と、すぐに説明することができます。
しかし、定期テストは必ずしもそれだけが理由ではないと考えており、質問してくれた子にはこう伝えました。
定期テストは「成績を付けるための競技」である。どういうことかというと、ある程度先に知らされている課題を、限られた期間の中で、どれだけ仕上げられるかを見るために行われていると説明しました。
定期テストは一種の競技であるため、他のテストとは違う役割がいくつかあります。その中でも「範囲がとても狭い」「学校で教えた内容から逸れた内容を出題できない」「様々な子がいる学校で点数に差を生まなければならない」は理解することで大きく点数が上がります。
一つ目の「範囲がとても狭い」は、言葉の通り、定期テストの範囲表に書かれた数十ページ程度からしかテストの素材は出てこない、ということです。単元数が絞られているため、深い理解が求められますが、その分「勉強すれば伸びやすい」テストであるともいえます。
二つ目の「学校で教えた内容から逸れた内容を出題できない」は、学校という閉ざされた空間で行われるテストであるからこその特徴です。基本的にどの学校でも同じ教育になるようになることを目標にしています。しかし、実際には彼らもそれぞれ人間であるため、ことなった点は出てきます。それを埋めるためという目的で、原則「教えた内容から逸れた内容を出題しない」ようになっています。
最後の「様々な子がいる学校で点数に差を生まなければならない」は、学校には基本的にどんな子でも来るという前提からいえることです。成績をつけるうえで、全員が100点になるテストは作ることはできませんし、作らないようになっています。むしろ、問題ごとのおおよその正答率は把握されていますし、それによって「成績をつけやすいように」テストが作られている、と言われています。これを逆手に取ると、難しい問題と比較的簡単な問題の見分けが簡単だといえるでしょう。自分の目標点数から逆算し、取れるところから取っていくのもある意味必要な能力であると考えられます。
ひとつの定期テストに大きな意味はないかもしれません。しかし、「定期テストで良い点数を取った」「少し前から自分が成長した」などの成功体験は必ず良い方向に働きます。まずは目の前のテストから、頑張っていってほしいものです。