経済用語/金融用語に、「上振れ(うわぶれ)/下振れ(したぶれ)」という言葉があります。最近ではゲームや賭け事の分野でも使われているようですが、要は予想や期待を上回ること/下回ることを指す言葉で、特に経済や金融の分野において、以前から浸透していたとされています。
そして、どちらの要素も肯定的に捉えられてきました。下振れは忌むべき存在のように思えますが、それはどうしてでしょうか。
その理由には、「下振れがないと上振れが存在しないから」そして、「下振れに対しては対処が効くから」の2つがあげられます。前者については、何かが落ちないかぎり他のものは大きく上がらない、という経験則に、後者については下振れの時こそ金融に携わる者の腕が出る、という精神論をそれぞれ裏付けとしています。
ここでは特に後者についてとりあげたいのですが、これは厳密に精神論というにはやや詭弁(理論が通っていない主張)と言わざるを得ず、事実の面を含んでいます。自分の限界を正しい意味で理解し、いい意味で無理をせず、できる範囲で可能なことを行うのは必要な能力といえるでしょう。
これは小さい視点であれば日ごとによっても上振れ/下振れがあるといえます。自分の現在の状態を理解し、自分にできることを適切に行って、スキルアップにつなげられるとよいですね。